毎年2回行われる保育士試験。例和5年度の予定は以下の通りです。
前期試験・・・筆記 4月22日(土)、23日(日)
結果通知 6月6日~11日
実技 7月2日(日)
後期試験・・・筆記 10月21日(土)、22日(日)
実技 12月10日(日)
筆記試験の受験後にホッとするのも束の間、3ヶ月後に実技試験がありますね。
そんな短い練習期間でも安心して受けられるのは、

ズバリ!造形と言語です。
得意で自信のある楽器(ピアノ、ギター、アコーディオン)があれば音楽も良いですが、そうでない限りは造形と言語の2科目がおすすめです。
この記事では、
- 保育士実技試験の3科目どれがいいか分からない
- 造形と言語を選んで無事に合格できるのか心配
- 実技試験に向けて何をどう準備したらいいか分からない
という方に向けて、合格までの道のりを解説していきます。
筆者も5年程前に保育士試験を受験し合格しました。その時選んだのが、造形と言語です。
筆者も筆記試験後(本腰を入れたのは筆記合格通知が来てから。苦笑)3か月で対策することができたので、その具体的な方法を紹介していきます。

保育士実技試験の内容

既にご存じの方は飛ばしてください。
“音楽”は課題曲2曲を弾き語り
・R5年度前期課題曲『幸せなら手を叩こう』と『やぎさんゆうびん』 ※楽譜ダウンロード可能
・ピアノ、ギター、アコーディオンのいずれかで演奏(紙の楽譜の持ち込み可)
・いずれの楽器とも、前奏・後奏を付けてもよい。歌詞は1番のみ。移調可。
“造形”は当日出されるお題に沿って45分間作画
・問題文と条件が試験開始時に分かる。
・問題文で設定された一場面を、条件を満たして描く。
・試験時間は45分間。絵を描く枠の大きさは縦横19cm。
【事例】M保育所の3歳児クラスの子どもたちが、保育士と一緒に園庭でフィンガー・ペインティングをしています。机に広げられた紙の上で、絵の具の感触を確かめたり、大きく腕を動かしたりして、楽しく描いています。
【条件】
1.フィンガー・ペインティングで楽しく遊んでいる様子を描くこと。
2.園庭での準備の様子がわかるように表現すること。
3.子ども3名以上、保育士1名以上を描くこと。
4.枠内全体を色鉛筆で着彩すること。
引用:四谷学院通信講座
“言語”は3歳児15人に向けて3分間のおはなし
・子どもは15人程度が自分の前にいることを想定する。
・一般的なあらすじを通して、3歳の子どもが楽しめるように、3分にまとめる。
・お話の内容をイメージできるよう、適切な身振り・手振りは可能。絵本などは無し。
1.「ももたろう」(日本の昔話)
2.「3びきのこぶた 」(イギリスの昔話)
3.「おおきなかぶ」(ロシアの昔話)
4.「3びきのやぎのがらがらどん」(ノルウェーの昔話)
引用:全国保育士養成協議会
保育士試験の合格率

実技試験の合格率は80%以上
厚生労働省のデータによると令和3年度の合格率は約20%。これは、筆記試験と実技試験を合わせた結果です。実際は筆記試験で不合格になる方が圧倒的に多いので、実技試験の合格率は80~90%で高いようです。
また、実技試験は50点満点で、合格の目安は6割の約30点。

満点を取りに行く必要はありません!
気負いすぎず、リラックスして試験に挑めるよう心がけましょう。
造形と言語を勧める理由

特別なスキルがいらない
楽器の演奏のように、初めから備えておくべきスキルは必要ありません。
話すのが苦手、絵を描くのが苦手でも、プロ並みのレベルを目指す必要もありません。
合格できるポイントを押さえて、必要最低限の結果が出せればじゅうぶんです。
短期間で練習できる
筆記試験終了から実技試験までは約3か月。
造形と言語は、短期間での対策が可能です。
準備するものが少ないこと、楽器のように場所や時間を気にして練習する必要がないことも、対策しやすい理由です。

それでは、具体的な練習方法を以下で説明していきます。
造形の練習方法

鉛筆、色鉛筆、紙を準備
・鉛筆またはシャープペンシル(HB~2B)
・色鉛筆12色~24色程度
・紙に19センチ×19センチの枠を書いたもの
色鉛筆は試験時にも必要なので早く準備しておいて損はありません。
試験本番はさらに、
・消しゴム
・腕時計
が必要になります。忘れずに準備しておきましょう。
※上記の持ち物全て、「人物の形をしたイラスト入りのもの」は机上に置けないので注意
詳細は全国保育士養成協議会参照
絵が苦手な場合は模写から始める
最初から課題の絵を描くのはハードルが高いです。まずは合格した絵を模写することから始めましょう。
↓こちらのサイトでは、合格した絵や描き方のコツ・過去問が載っているため大変参考になります。
模写のポイントは、こんな感じ
- まずは描きやすいところから始める(人だけ、背景だけ、等)
- 自分の得意な箇所、苦手な箇所を見つける
「絵が苦手」と言っても理由は様々!自分の得意な個所を見つければ自信になるし、苦手を見つければ重点的に練習するべき箇所が分かります。
保育士試験では、クオリティの高い上手な絵を描く必要はありません!
合格基準は50点満点中、6割の約30点です。

絵の上手さより、出題された条件をしっかり取り入れることが大切!
過去問の課題に沿って描く回数を重ねる
課題は毎年異なりますが、
- 何をしている場面か
- 季節や場所(背景になる部分)
- 〇歳の園児が〇人
- 保育士が〇人
以上のような条件が毎年出題されています。

出題傾向が分かるので、自分で仮の課題を作って練習できそうですね。
描く際のポイントは以下
・表情や服装のバリエーションを作る
・大人と子どもの身長差を意識する
・色鮮やかに塗る
・近くのものは大きく、遠くのものは小さく
その絵を見た人全員が、できるだけ同じ条件だと伝わることが大事。
厳密じゃなくても、ある程度の立体感があると◎です。
45分間以内に描く練習をする
試験の制限時間は45分間です。

いくら素敵な絵を描けても、試験時間内に完成しないと意味がない!
慣れないうちは、45分間を過ぎてしまうと思います。まずは完成させることが大事なのでそれでもOK。描くことに慣れてきたら、時間を意識してみましょう。
・構想、下書き 15分
・描く時間 10分
・色塗り 10分
・見直し・予備 10分
得意・不得意の箇所で時間配分も変わると思うので、自分に合ったペースを見つけてください。

見直し・予備の時間は必ず作っておいたほうが安心です!
言語の練習方法

元々知っている物語を選ぶ
試験本番はカンペを見ずに話す必要があります。
暗記の手間を少しでも減らすために、元々知ってる、又は好きなお話にしましょう。
過去の課題はこんな感じ
ももたろう/3びきのこぶた/おおきなかぶ/ 3びきのやぎのがらがらどん
うさぎとかめ/おむすびころりん/にんじん、ごぼう、だいこん
1つ以上は、知っているお話があるのではないでしょうか?
馴染みあるお話を選べば、覚えやすい&感情を込めやすいため、練習もはかどります。

私は「うさぎとかめ」を話しました!
物語の要約をメモに書く
本番に話す目安となるように、お話の大まかな内容を自分の言葉でメモします。
例えば「ウサギとカメ」
- あるところにのんびりカメが歩いていると、ぴょんぴょんとウサギが通りかかる
- のんびりなカメのことを、ウサギが「なんでそんなに遅いんだよ!」と馬鹿にする
- カメが「君は自分の足が速いと思ってるけど、かけっこでは負けないよ」と反論
- ウサギはむきになって、山のてっぺんまでかけっこを提案する
- ・・・・
・・・のような感じです。
物語の例文は、「保育士試験 〇〇(題名)」で検索するといくつか出てきます。
丸々真似をするのではなく、自分の記憶と照らし合わせて、話しやすい内容に変えてみてください。
この段階では、一言一句試験用にメモする必要はありません。
細かいニュアンスや語尾は、当日の緊張感があっても柔軟に変えられるようにしておくと安心です。「どの言葉を使うか」より「何を伝えたいか」を覚えておくと良いです。
最初はメモを見ながら話す練習をする
メモが完成したら、まずは見ながら話す練習をしましょう。
この段階から、既定の3分間を計りながら話すのがおすすめです。3分間の大体の感覚が分かってくると思います。
慣れてきたら、覚えられた部分からで良いので、メモを見ずに話す練習をしましょう。
自分の話し声を録音し、客観的に分析する
メモを見ずに話せるようになってきたら、是非自分のお話を録音しましょう。少し気恥しいですが、自分のお話を客観的に分析できます。
・声の大きさ、話すスピード、言葉の聞き取りやすさ
・セリフの声色の変化、感情が伝わっているか など
ナレーター、登場人物それぞれの声色を少しでも変化させると、子どもたちに伝わりやすいお話になるはずです。

分析して分かったことを改善しながら、繰り返し練習しましょう。
家族や友人に聞いてもらう
機会があれば積極的に行いましょう。
客観的な意見を聞けること、人前で話す練習ができることの2点が、大きなメリットです。
・2~3メートル前に座ってもらう。
・子どもを想定するため、目線より下だと尚可。
家具やぬいぐるみを置いて代用も可。目線を配る練習になります。

恥ずかしがらず堂々と話すことが特に大切です!
大丈夫!自信を持ってくださいね。
おわりに
保育士実技試験は造形と言語がおすすめな理由と、造形と言語の練習方法を紹介しました。
3か月という短い期間ではありますが、記載した内容を練習すれば、合格する可能性は十分高まりますし、安心して試験に挑めると思います。
絵を描くのも、お話をするのも、是非楽しみながら取り組んでください。

実技試験がうまく行くよう、応援しています!

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