児童福祉の仕事5選!似た名前の違いが分かる!子どもの支援に関心ある人必見

仕事

福祉分野の中でも、主に子どもと関わりながら働く児童福祉分野。一般的にも有名な、保育園や児童養護施設に限らず、たくさんの職場があります。

児童福祉に関わりたい!どんな仕事があるのか気になる!

児童指導員?児童福祉司?支援員?名前が似てて混乱する!

そんな気持ちの人へ!

この記事では児童福祉職の中でも、名前が似ていて混合しやすい職種について、分かりやすく整理しました。

さく
さく

実は私も、これから紹介する職種の1つに従事していた経験があります。

その他の職種とも、連携し合いながら支援を行っていました!


名前は似ていても、働く場所や内容はそれぞれ異なります。自分に合いそうな職種をぜひ見つけてください♪

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児童福祉の仕事は似た名前が多い!

これから、以下5つの職種について紹介していきます。

  • 児童福祉司
  • 児童指導員
  • 少年指導員
  • 放課後児童支援員
  • 児童発達支援管理責任者

並んでいるのを見ると、名前が似ていることが余計際立ちますね。

さく
さく

もう混乱してきた、、、!

そんな悩みはもう終わり!
それぞれの職種について、働く場所・仕事内容・資格を得る方法を説明していきます。

児童福祉司とは

働く場所

児童福祉司は、各都道府県に設置されている児童相談所で働きます。

児童福祉法により、児童相談所への児童福祉司の配置が義務付けられています。各都道府県の公務員として働くということですね。

POINT

よく似た名前で「児童相談員」がありますが、児童福祉法に児童相談員という職種はありません。
児童相談員という呼び名は、児童福祉司とほぼ同じ意味で使われることが多いようです。

仕事内容

支援対象となるのは、主に0歳~18歳未満の児童です。幅広い年齢層と関わりを持つことができます。

児童福祉司は、さまざまな問題を抱える子どもや保護者の相談に乗り、問題解決のお手伝いをする専門家です。また、子どもや保護者だけでなく、家族を取り囲む環境(親族、学校、地域など)へも働きかけ、環境調整を行います。

児童相談所運営指針では、業務内容が以下のように定められています。

(1) 子ども、保護者等から子どもの福祉に関する相談に応じること
(2) 必要な調査、社会診断※を行うこと
(3) 子ども、保護者、関係者等に必要な支援・指導を行うこと
(4) 子ども、保護者等の関係調整(家族療法など)を行うこと
※調査により、子どもや保護者等の置かれている環境、問題と環境の関連、社会資源の活用の可能性等を明らかにし、どのような援助が必要であるかを判断するために行う診断
参照:厚生労働省参考資料

具体的には、状況把握や関係性構築のために、定期的な面接や家庭訪問を行います。虐待や貧困などで、リスクの高い状況を発見した場合は、子どもやその家族を一時保護するケースもあります。

以上から分かる通り、児童福祉司は家庭内の繊細な問題を取り扱う職種です。支援や保護をどのように進めていくか、見極めて判断する知識と技術、責任感が必要となります。

児童福祉司になるには

児童福祉司の任用要件は、児童福祉法で以下のように定められています。

  • 都道府県知事の指定する児童福祉司等養成校を卒業、又は都道府県知事の指定する講習会の課程を修了した者
  • 大学で心理学、教育学もしくは社会学を専修する学科等を卒業し、指定施設で1年以上相談援助業務に従事したもの
  • 医師、社会福祉士、精神保健福祉士、公認心理師
  • 社会福祉主事として2年以上児童福祉事業に従事した者であって、厚生労働大臣が定める講習会の課程を修了したもの
  • 上記と同等以上の能力を有する者であって、厚生労働省令で定めるもの

引用:厚生労働省関係資料

社会福祉主事とは、都道府県や市町村の福祉事務所に配置され、福祉業務を行う公務員です。社会福祉主事任用資格を得る必要があります。

任用要件を満たすだけではなく、公務員試験に合格し児童相談所へ配属される必要があります。

さく
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児童相談所に配属されて初めて、児童福祉司を名乗って働けるんですね。

児童指導員とは

働く場所

児童指導員が働く場所は、大きく分けると3種類あります。

  • 児童福祉施設・・・児童養護施設、乳児院、児童心理治療施設など
  • 障害児通所支援・・・児童発達支援、放課後等デイサービスなど
  • 障害児入所施設・・・福祉型障害児入所施設、医療型障害児入所施設
さく
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働く場所ごとに、仕事内容を説明していきますね。

仕事内容

児童福祉施設

対象年齢は施設によって様々です。児童指導員は子どもたちと共に過ごしながら、マナー・食事・掃除・勉強など、日常生活をサポートします。

乳幼児や小学生低学年へは、読み書きや遊びを通して関わります。一方、小学生高学年や中高生へは、人間関係調整や就学・就労の支援が中心になってきます。

また、児童相談所や学校などの関係機関と連携しながら、子どもが生活する環境の調整を行うことも必要です。子どもの保護者と面接を行なったり、成長を伝えたりし、親子関係を調整することも、児童指導員の重要な役割です。

障害児通所支援

主な事業所の対象年齢は、児童発達支援センターが0~6歳まで、放課後等デイサービスが小学生~高校生(18歳)までです。

食事や排泄、衣類の着脱など、日常的な動作を子どもたちが自分でできるように、指導・訓練したり、身体の機能が少しでも良くなるようサポートしたりします。

季節のイベントや外出行事など、レクリエーション活動の企画運営も多く行います。子どもたちは楽しみながら、発達や社会性を育むことができます。

利用する子どもは、知的障害や発達障害などの障害を抱えています。児童指導員は、子どもたち1人1人の障害の特徴や発達の状態に合わせて、支援する力が必要です。

障害児入所施設

児童指導員は、家庭での養育が困難な知的障害・身体障害・精神障害・発達障害などの、障害を持つ子どもの支援を行います。食事、入浴、排泄などの介助に加え、日常生活の基本的な動作や知識、集団生活に適応する力の習得などをサポートします。

医療型障害児入所施設では、日常生活の支援に加えて児童の治療を並行して行います。医療型では、自閉症児・肢体不自由児・重症心身障がい児などが、利用する傾向にあります。

さく
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児童・障害分野だけでなく、医療的な知識も必要です。

児童指導員になるには

児童指導員になるには「児童指導員任用資格」が必要です。任用資格とは「その職に就いている時のみ効力を発揮する資格」のことです。

さく
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児童福祉司も、同じく任用資格です!

児童指導員任用資格を得るには


児童指導員任用資格は、児童福祉施設で2年または3年以上の実務経験がある場合や、教員免許や社会福祉士、精神保健福祉士のいずれかの資格がある場合に得ることができます。

大学や大学院、養成施設を卒業した人も任用資格を得られます。

参考:厚生労働省 児童指導員及び指導員の資格要件等

少年指導員とは

働く場所

少年指導員が働く場所は、母子生活支援施設です。

母子生活支援施設とは、DVや貧困、障害などの問題によって地域での生活が困難になった母子家庭が入所できる施設のことです。

少年指導員は、児童福祉法の中で母子生活支援施設への配置が義務付けられています。

仕事内容

母子生活支援施設の入所児童の年齢上限は、18歳です。少年指導員は主に、入所している小学生~中高生の子どもたちと関わります。

少年指導員は、入所している子どもたちの生活に寄り添い、生活習慣や学習を身につけられるようサポートしたり、良好な親子関係や友人関係を築けるようアドバイスしたりします。

また、入所する親子は夫の暴力からの避難、貧困、障害、などの複合的な問題を抱えています。中には未婚の母や、兄弟の父親がそれぞれ異なるケースもあります。少年指導員は、様々な家庭事情を理解し、子どもにとって身近で信頼できる大人になることが大切です。

少年指導員が主に関わるのは子どもですが、施設内で共に働く母子支援員や、保育士との連携を密に行う必要もあります。一緒に住む母親や兄弟とも関係を築くことで、家族全体の支援を行うことができます。

少年指導員になるには

少年指導員になるための資格は特にありません。

事業所によって少年指導員の求人に求める条件は様々です。最近は施設の専門性を高めるため、社会福祉士や保育士所持者が有利になることが多い傾向です。

放課後児童支援員とは

働く場所

放課後児童支援員の主な就労先は、放課後児童クラブです。正式名称は放課後児童クラブですが、地域によって学童クラブ、児童クラブ、学童保育所など、呼び名は様々です。

小学校や児童館の中に設置されることが多く、民営の場合は社会福祉法人、保護者会の運営委員会、株式会社、NPO法人などが主体となっています。

仕事内容

対象は小学生です。放課後や土曜日、夏休みなどの長期休業期間に、子どもたちが安心して過ごせる遊びや生活の場を提供し、成長を見守る仕事です。

遊びや勉強を通して、子どもたちの主体性や社会性、創造性を育むお手伝いをします。

また放課後児童支援員は保護者と、子どもの様子を共有したり相談に応じたりしながら、親子と信頼関係を築くことも重要な役目です。学校や地域住民と連携を行い、子どもたちのために協力し合う体制を整えます。

放課後児童支援員になるには

放課後児童支援員として働くには、各都道府県が実施する放課後児童支援員認定資格研修を修了する必要があります。

以下に当てはまる場合は、実務経験なしで研修を受講できます。

  • 社会福祉士、保育士、小中高いずれかの教員免許を持っている人
  • 大学(短大を除く)や大学院で社会福祉学・心理学・教育学・社会学・芸術学・体育学のいずれかの専門課程を修了している人
参考: 内閣府 放課後児童支援員研修の受講要件の緩和

以上の条件に当てはまらない人は、児童福祉事業や放課後児童クラブなどで2~5年以上の実務経験が必要です。

児童発達支援管理責任者とは

働く場所

児童発達支援管理責任者(以下児発管)は、児童福祉法で定められた障害児施設に配置されます。主に通所施設と入所施設の2種類に分けられ、就業先の例は以下の通りです。

通所施設・・・・児童発達支援センター、放課後等デイサービス、保育所等訪問支援など
入所施設・・・・知的障害児施設、盲児施設、重症心身障害児施設など

仕事内容

児発管は、その施設におけるリーダー的な存在です。児童指導員や保育士などの現場職員への指導や助言を行いながら、事業所を円滑に運営することが主な業務です。

分かりやすくまとめると、以下の4つのような業務が中心となります。

  • 個別支援計画書の作成
  • 現場職員への指導や助言
  • 施設を利用する児童やご家族への支援
  • 保護者との面談

児童指導員に比べ、より専門的かつ他機関と連携する力が必要なことが分かります。ケースワークだけでなく、ソーシャルワークの知識技術も多く必要です。

児童発達支援管理責任者になるには

児発管になるには、実務経験の要件を満たし、研修を修了する必要があります。

必要な実務経験は、以下の通りです。

・相談支援業務の経験が5年以上
・直接支援業務の経験が8年以上
・特定の資格保有者としての相談支援・直接支援業務の経験が5年以上
(なお実務経験年数の内、老人福祉施設・医療機関等以外での実務経験が3年以上必要)

さく
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実務経験の要件はとても複雑です。詳細が気になる方は、厚生労働省などで確認してみてください。

こちらのサイト↓でも詳しく解説されています。
【2023年2月最新】児童発達支援管理責任者(児発管)とは? 資格の取り方・仕事内容・給料について分かりやすく解説

児発管になるための研修は、①基礎研修→②OJT期間2年→③実践研修の全てを修了することが必要です。実践研修が修了してはじめて、児童発達支援管理責任者になれます。

その後は、5年に1度のタイミングでサービス管理責任者等更新研修の受講が必要です。

今回紹介した職種の中で、最も資格を得ること、維持することが難しい職種です。その分、より専門的な知識を持って、支援を行うことができます。

まとめ

この記事では、5つの児童福祉職を紹介しました。

POINT
  • 児童福祉司・・・児童相談所で働く支援者
  • 児童指導員・・・児童福祉施設、障害児施設などで働く支援者
  • 少年指導員・・・母子生活支援施設で働く支援者
  • 放課後児童支援員・・・放課後児童クラブで働く支援者
  • 児童発達支援管理責任者・・・障害児施設で運営管理も行う支援者

仕事の場所や内容はそれぞれ異なりますが、子どもの福祉のために働くことは共通していますね。

児童福祉職は、子どもが抱える課題(虐待、貧困、障害、病気、不登校家庭環境など)全てに携わる可能性があります。

児童福祉の仕事は、子どもの将来を左右するかもしれない責任重大な役割ですが、支援をしていく中で得られる喜び、人間としての学びは計り知れません

紹介した職種の中で、関心が高いものや気になるものがあれば、是非もっと詳しく調べてみてください。今回紹介した職種以外にも、児童福祉に関連する仕事はたくさんあります!

様々な誠意と希望を持って、児童福祉職に就いてくださる方が少しでも増えるといいな~と思っています。

さく
さく

ここまで読んでくれてありがとうございました!

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